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新曲「Orphans」でコールドプレイはシリアの平和を願う。

4年ぶりのアルバムに先駆けてリリース!!

こんにちは、akiです。

今回の取り上げる一曲はこちら↓

「Orphans」by Coldplay

今回取り上げるのは、2015年に発売された「A Head Full Of Dreams」以来のリリースとなるアルバム「Everyday Life」が11月22日に発売されるのに先駆けてColdplay(コールドプレイ)が世に放った、「Orphans」という曲について取り上げます。

Coldplayといえば、イギリス発のビッグバンドでバンドの歴史もかなり長いですが、前回のアルバムそしてツアーの大成功を受けて生み出された曲について今回は「メロディ」と「歌詞」に分けてみていきたいと思います。

サウンドははコールドプレイのままだった

前回の「A Head Full Of Dreams」というアルバムの発売、プロモーション、そしてワールドツアーは、アルバムタイトルと同じ名前で彼らの結成から現在までの歴史を振り返るドキュメンタリー映画を世界同時公開するなど、Coldplayのチームでは今までの活動の集大成的な意味を持っていました。

「A Head Full Of Dreams」のツアーが終了してから、彼らは「Los Unidades」という別の名義で今までとは全く違った趣の曲を出したり、「Los Unidades」名義でイベントを主催したりと、今までとは違った方向性の音楽活動を模索している印象がありました。

さらに、先ほど言及したドキュメンタリー映画の中でボーカルであるこのバンドのフロントマンであるクリス・マーティンが「クラシックなものを作るのはこのアルバムが最後になるかもしれない」と言っていたことからも、ここからColdplayは全く別の方向に(あるいはLos Unidadesという全く別のアーティストとして)進んでいくのかなと思っていました。

しかし、今回発表された「Orphans」という曲は、クリス・マーティンの素晴らしい歌声によるファルセットを多用した、ダンシーな一曲です。前作の「A Head Full of Dreams」に収録されている「A Head Full of Dreams」や「Hymn For The Weekend」、さらにその前のアルバム「Ghost Stories」に収録されている「A Head Full of Stars」にも通ずる、いまや彼らのお家芸となっているサウンドです。(これ以上前にさかのぼっても似ているなと思う曲はありますがこのあたりにしておきます)

歌詞は、明確に「反戦」

一方、サウンドがなじみのあるものだったのに対して歌詞は今までの彼らの楽曲の中で最も政治性を帯びたものになっています。この曲のタイトル「Orphans」というのは「孤児たち」という意味で、この「孤児」というのは内戦が続くシリアで親たちを失った子どもたちのことです。

曲中の歌詞には「Bomb(爆弾)」という言葉が登場し、爆弾が爆発する様子がコーラスで取り入れられています。

シリア内戦はいまやアメリカやロシアと言った大国が関与する新たな「冷戦」の様相を呈しており、停戦をするかと思いきやその合意が破られて新たな血が流れるというのを繰り返しています。シリアの首都ダマスカスは紀元前から中東の文化の中心地であり、シリアは非常に豊かな文化を持った国の一つです。曲中の歌詞では、現地の文化を「golden and opportune(価値のあるという意)」として称賛していて、その文化がいま破壊しつくされようとしていることを嘆いています。

そして私の心に一番響いたのは、サビの部分のこの歌詞です↓

I want to know when I can go Back and drunk with my friends
私は知りたい。いつ私は家に帰れて友だちと一緒に酒を飲めるようになるのか。

Genius Lyrics より 翻訳はaki独自

この歌詞がいまのシリアの人々の気持ちを最も素直に表しているのではないかと思います。私は、この楽し気なダンスポップのメロディーの上に乗っかったこの歌詞を見て、やるせない気持ちになりました。

音楽で平和を訴えること

この一曲で、アルバムのタイトルが「Everyday Life(毎日の生活)」と銘打たれた意味もよくわかりました。今回のアルバムは普段の生活を奪われている人たちをテーマとして、その苦しい状況がなかなか打開されない(しかも例によって外からの圧力により)ことを厳しく糾弾するような曲になるのではないかという想像が付きます。

こういった政治的な主張をすることは珍しいことではないですし、Coldplayのフロントマンであるクリス・マーティンはベジタリアンで環境問団についても積極的に発信しています。また、Coldplayとしても環境問題についての慈善活動を行って来ていますから、こういったことは全く想像できない訳ではありません。

しかし、おそらく彼らがここまではっきりと「反戦歌」を歌ったのは初めてですし、私が知る限りここまでシリア内戦について踏み込んだ曲が著名なアーティストから出たのも初めてではないかと思います(これは違ったら指摘してください)。

この曲そして来月発売されるアルバムがもしかしたら、シリアの平和を求める文化面からの大きな訴えを作るかもしれない、そういった可能性を感じさせる熱量のこもった一曲でした。

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お読みいただきありがとうございました。

歌詞はGenius Lyricsを参照しました。

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