野次る人にこれでもかと皮肉を浴びせるイギリス議会の洗礼
こんにちは。akiです。
・「お静かに」の日本
今回は「国会事件簿」の第2回です。第1回の記事では衆議院予算委員会での野田聖子委員長と根元文部科学大臣の掛け合いを見ました。
基本的に野田委員長の諫め方は「お静かに」という言い方ですが、「お静かに。ちょっと、やじはとめて、お静かに。」と少し強く諫めているところもあります。また、ヤジに反応し過ぎる根元大臣に対して「」とヤジられる側を諫めるシーンもありました。
・「静粛に!」、では済まない英国議会
一方で、所違えば野次の諫め方は全く違うようです。
TBSテレビがYouTubeチャンネルに公開しているこちらの動画では、イギリス下院議長のジョン・バーコウ氏が野次で議会が荒れているのを独特の言い回しで止める様子が伝えられています。その中から特に私の印象に残っている発言を取り上げます。
そもそも野次がへたくそ
この動画の1分過ぎ、バーコウ氏が「今日も明日もいつでもいつでも、野次に意味はない」と厳しく野次を諫めている場面の最後にサラッと言った言葉が「あなたたちは野次が下手だ」というひとことです。なかなか皮肉が効いています。
地位のある人に対して、その地位に引っ掛けて皮肉る
どの国でもそうですが、議会にいる議員は弁護士や元官僚など社会的地位の高い人が多いですが、バーコウ氏は彼らが野次を止めないときにその地位に引っ掛けて皮肉ります。
2人とも本邦では地位の高い方です。議会で重要な委員会の委員長を務めているんですから。その振る舞いもその高い地位に見合うだけの礼節を伴うべきです。
また、こんな諫め方もしています。
あなたはかつて何がしかの法廷弁護士でしたよね。法廷でそんな風に着席してまま、叫ぶなんて許されませんよね。退廷させられるでしょう。だから法曹界に転身したのかは知りませんけど。お行儀良くしなさい若者よ。やればできるんだから。
良い感じにプライドを折っていくのがイギリス人らしい諫め方なように思います。日本で考えると、これをもし野田聖子氏が予算委員会でやったり、衆議院本会議でこのようなことが起きたら逆に議会が荒れるように思います。
・「ありがとう議長」で続く答弁
しかし、このバーコウ氏の発言によってむしろ英国議会は静かになっています。特にこの動画の中でひどい野次を浴びせられているジェレミー・コービン労働党党首は、バーコウ氏が諫める度に「Thank you, speaker (ありがとう議長)」と述べています。
議員が議長に「ありがとう」というのも日本ではなかなかないことです。野次だけでなくこういった部分でも異なる部分があるのだということがわかります。
今回はここまで。
お読みいただきありがとうございました。