こんにちは、akiです。
今日の一曲はこちら↓
「Surface」 by Schroeder-Headz feat. むぎ(猫)
既存曲がゲストを迎えてパワーアップ!!
Schroeder-Headz(シュローダーヘッズ)は、日本のキーボディスト・渡辺シュンスケさんを中心とした「ポスト・ジャズ・プロジェクト」です。キーボードやピアノの音色を中心としながらも、エレクトロなサウンドなど本来ジャズとは離れたところにあると思われがちな音とも混ざり合いながら素晴らしい音楽を世に放つ稀有なプロジェクトです。
そのSchroeder-Headzが12月4日にリリースしたのが「ゲスト スイート」というアルバムです。その名の通りたくさんのゲストを迎え、新たなアレンジが加えられた既存曲が多数収録されるなど、このプロジェクトのベスト盤のような立ち位置であるようにも感じます。
今回取り上げる「Surface」も2016年に既存曲であり、彼らの代表曲の一つです。滑らかに進行していくメロディがとにかく美しい楽曲です。原曲もぜひ聴いてみてください!
大胆な改変+ことばをつける
今回のアルバムに収録された新バージョンでは、ピアノの滑らかな旋律が主体となることは維持しつつも、大胆なアレンジの変更が行われています。
1つ目は、楽器としてマリンバが加わったことです(おそらく私の耳が悪くなければ、マリンバのはず)。マリンバが伴奏部分だけでなく主旋律も担当していることで、かなり曲の印象が変わりました。イメージとしては、ピアノだけだった原曲ではオシャレでありながらも静かな湖面を想起させるようなかっちりとした印象もありました。一方で、マリンバが加わった今回のアレンジではかなり賑やかさが増し、静かな湖面から都会の中で奏でられるメロディへと変貌したように感じられます。
どちらが良いとか悪いとかではなく、こうやってメインの楽器が変わるだけで曲の印象が大幅に変わるのだなということがよくわかります。
そしてもう一つ重大な変更点が、「ことばが加わった」ことです。Schroeder-Headzはボーカリストが存在しない、いわゆる「インストバンド」です。楽曲と言えば「歌」というのがある意味当然視されている現代のポップス界ではボーカリストがいないことは特異ですが、インストバンドはその特性を生かして楽器の表現力を最大限まで生かした楽曲を世に放っています。
しかし、今回のアルバム「Guest Sweet」ではこの「Surface」をはじめ多くの曲で既存曲に歌詞がつけられ、ゲストボーカルを迎えて「歌」として収録されています。「Surface」では、一旦マリンバの演奏が途切れてピアノだけになるパートで歌詞(というよりも「語り」)が入ります。
その語りがとても絶妙で素晴らしいので、私が耳で聴きとった範囲で一部を紹介します。
地上から そして高いビルの屋上からも 目線の高さに目る水平線
しかし それは線ではない
歩いても走っても どこまでもたどり着かず
立ち止まって初めて 目指したものが真下にあることに気づく
前を向いているだけでは きっと わからないことがある
Schroeder-Headz 「Surface」1:26 ~ 1:55
なるほど。「夢をあきらめるな!」「必死で努力すれば報われる!」という世に一石を投じることばのようにも聞こえます。このメロディからこういった雰囲気のことばは想像していなかったので意外でした。また、意外だった分ことばのもつ鋭さがより鋭利になって心に刺さったように思いました。
インスト曲にわざわざ歌詞をつけるのは野暮だと思っていたが、
正直、私は「インストにわざわざ歌詞をつける必要はあるのかな」と思っていたのですが、曲に込められた作曲者の思いが歌詞を通して言語化することは意味があることだと思います。
「Surface」は「水平線=Horizon」ではありませんが、「Surface」という言葉からは希望が持てる、「ここからはじまるんだ」という雰囲気が込められているのかと思いきや、それとはまったく違った言葉がのっていたのでとても驚きでした。こうやって原曲から想像できるイメージとは違った言葉をのせるのもとてもおもしろいなと思いました。
今までのSchroeder-Headzとは少々趣が違ってまたこれも楽しい楽曲になっているなと感じました。一聴の価値ありです。
そして、今回のアルバムでは、この他にもUNISON SQUARE GARDEN の斉藤宏介さん、土岐麻子さんといった豪華ゲストも参戦しています。Schroeder-Headz独特ののインストサウンドも健在。ぜひぜひ聴いてみてください!!
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