こんにちは、akiです。
すっかり更新が途切れていましたが、今日はこの曲を取り上げます↓
「We Are The People」by マーティン・ギャリックス
―裏編も公開中!!こちらからどうぞ!
欧州選手権テーマ曲、満を持して登場!
オランダ出身で、いまやEDM界で右に出る者はいないと言っても良いマーティン・ギャリックス。2019年には、4年に一度欧州で開催される国別対抗のサッカー大会、「UEFA 欧州選手権2020」の公式ソングを担当することが発表されていました。
その後、新型コロナウイルスが世界中を襲い欧州選手権も延期。公式ソングもなかなか発表されずにいました。コロナ禍が始まって1年が経った今年、6月11日より延期された欧州選手権が開催されるのを前に、5月14日(彼の誕生日)についに公式ソングがお披露目されました。
豪華すぎるコラボ!完璧なサウンド!
いままで、数々の大物と共演してきたマーティン・ギャリックスですが、今回コラボするのは、あのU2です。U2は世界で最も成功したアーティストグループと言われており、グラミー賞の受賞数は現役アーティストグループで世界最多を誇ります。ちなみに、グラミー賞はアメリカの賞なのでアメリカ偏重の傾向が見え隠れすることもありますが、U2はアイルランド出身です。いかに輝かしい功績であるかがお分かりいただけると思います。
話が少し脱線しましたが、この曲の特長は、これぞマーティン・ギャリックスというEDMサウンドと、ロックバンドであるU2がもたらした要素の融合です。EDMの良さを残しつつ、ビートを抑えめにして聴きやすくすることでより多くの人たちにインパクトを与えることを狙った、ヨーロッパ各国の国民的スポーツであるフットボールの祭典にふさわしい音楽だと思います。
詳しく見て行きましょう。
イントロはとにかくシンプルで静かに入っていきます。そこにボノのボーカルが入ってきます。この歌いだしが渋くて本当にカッコいい!!!この冒頭数十秒でご飯何杯もいけますね(笑)
そして、そこから4つ打ちのビートが入り、さらにいろいろなサウンドが重なり、一瞬静まり返ったと思ったら「We are the people we’ve waiting for~」と高らかに歌い上げるいわゆるサビの部分へと一気に突入していきます。そして歌い上げた後はインストのパートがさらに盛り上げていく、、、
この、静かな導入→ビートを重ねていく→一気に歌い上げるというのは、まさにマーティン・ギャリックスの十八番と言うべき展開で、ボノの歌声と融合して見事なまでにハマっています。
一方で、先ほど書いた通り重低音の強化は控えめですし、耳がキンキンするぐらいの電子音もなく、代わりにピアノやギターなどがふんだんに使われています。これは、大会の公式ソングということでEDMファン以外のことも意識したというのもあるでしょうし、U2とコラボしたことで起こった化学反応とも言えそうです。
EDMの新たなフェーズを感じる
実は、前回の欧州選手権も公式ソングはEDMでした。フランスのDJで「EDMの父」と呼ばれるデイヴィット・ゲッタがザラ・ラーソンを迎えた「This One’s For You」という曲です。
この曲も非常に良いのですが、かなりデイヴィット・ゲッタの色が前面に出ており、今回に比べてEDM感が強いように感じます(当たり前ですが、悪いと言ってるわけではないです)。
前回欧州選手権が行われた2016年というのは、EDM全盛の時代でした。それこそ、アヴィーチーもまだ存命で現役バリバリだった頃です。有名アーティストたちがこぞってDJ達とコラボして、クラブのみならずどこに行ってもEDMのサウンドが溢れていたように感じます。
いまEDMは当時のような勢いを失っていると言わざるを得ません。その状況を踏まえて多くのDJは様々な方法で新たなエレクトロ・ポップを生み出してファンを掴もうとしてきました。
そのような中で、EDMらしさを失わないこと、加えてEDM全盛期とは違った要素を取り入れてより多くのリスナーに届く音楽を作ること。マーティン・ギャリックスはこの両立に見事に成功したと言えると思います。
本当にすごい。リリース日に25歳になったマーティン・ギャリックスですが、すでに彼はEDMの世界を背負って立つDJです。
お読みいただきありがとうございました。
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