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「アナ雪」大ブレイクの裏でひっそりと解散した、神田沙也加率いるTRUSTRICKというユニット

紅白の翌日に深夜放送の音楽番組に出ていた

こんにちは、akiです。たくさんの音楽であふれる現代。「何を聴けばいいの?」という方にも、「もっともっと新しい音に触れたい!」という方にも新たな音楽を届けられるように。そんな思いを持ちつつ、ゆるりとコメントしていくのがこの「今日の一曲」というコンテンツです。

今日の一曲は↓

「Ever Blue」by TRUSTRICK

先日、2019年4月5日にまた一つユニットが解散しました。その名も「TRUSTRICK(トラストリック)」というユニットです。名前を聞いたことがないという方は、ボーカルが神田沙也加さんだと聴いたら驚くでしょう。

「アナ雪」大ヒットの「裏番組」的プロジェクト

このユニットは、女優として活躍しているボーカルの神田さんと、オルタナティブ・ロックを主に主戦場としていたギタリストのBillyさんからなる二人組の男女ユニットというかなり珍しい形態をとっており、2014年4月に結成・同年6月メジャーデビューを果たしました。そして、まさにこの年の3月に神田さんが声の出演をした「アナと雪の女王」が公開され、神田さんはまさに時の人となります

2016年に活動を休止し、そして今月の解散までに3枚のフルアルバムを世に出し、アニメに造詣が深いことで知られる神田さんが率いるユニットであることもあってか、アニメ番組とのタイアップを数多く獲得し2015年にはAnimelo Summer Liveに出演するなど、かなり勢力的に活動していました。

初ライブは下北沢の数百人の前で行われましたが、活動休止前の最後のライブは中野サンプラザで行われるまでに規模も拡大。EGOISTとコラボ、坂本真綾さんのトリビュートアルバムにTRUSTRICKとして参加したほか、先程触れたアニサマでは黒崎真音さんともコラボしました。意外と知られていないと思いますが。

今日取り上げた「Ever Blue」という曲はデビューアルバム「Eternity」の1曲目に収録されています。ちなみに、神田沙也加さんがソロデビューしたときの曲のタイトルが「Ever Since」なので、個人的にはこのタイトルに新たな始まりの意味も込められていたようにも思います。

「ここまでやって大丈夫なのか」というくらい実験的な曲の数々

TRUSTRICKの最大の良さは、「アナ雪」であれだけ有名になった神田さんがボーカルだというのに、とにかく曲がいつも実験的で刺激的だったということです。神田さんの美しい声をもってすれば壮大なバラードを作っていけば十分なような気がしますが、ずっと声にエフェクターをかけている四つ打ちの曲もありましたし、かなり歌詞が18禁の曲もありました

この「Ever Blue」もバラードとは違った透明感が表現されていて、初めて聴いたときにとても感動しました。イントロのピアノの音からだんだん音が厚みを増していくのがとても聴きごたえがあります。

表現の幅がとにかく多彩で、「ここまでできてしまうのか」と新曲を出すたびに思いました。これは、神田さんのセンスがとてつもないこともあるのでしょうが、もともとロックバンド出身だったBillyさんとのうまい化学反応が起きていたように感じます

有名になりすぎてしまった神田沙也加

冒頭に書いた通り、このユニットが結成されたのは「アナ雪」が公開されたたった1ヶ月後で、この年の神田さんはユニットのボーカルとしての活動だけでなく、「女優 神田沙也加」として様々なバラエティ番組に出演したほか、この年の末にはMステの特番そしてアメリカからの中継で紅白歌合戦に出場するなど、とにかく大忙しでした。

実は、紅白のたった1週間半前に「TRUSTRICK」としてZepp Diversity Tokyoのステージに立っているのを私は目撃していたのですが、紅白を自宅で見ていたときに「本当にこれが先週 Zepp にいた人なのか?」と一瞬混乱してしまったことを覚ええています。

もっとすごいのは、この紅白の翌日には深夜帯の音楽番組の特番に生出演していたのです。あの過密日程をを当然のようにこなしていた神田さんが超人だとしか思えません。

ただ、ここまで有名になりテレビ出演、ナレーター、そして本業の舞台女優としての仕事も考えれば、明らかにオーバーワークであったことは否めません。例えば、俳優でもあり音楽家でもある星野源さんは、以前音楽雑誌のインタビューに「バラエティの視界の依頼が多く来るが全部断っている」と答えていたのを見たことがあります。非常に残念ですが、1人の人間ができることに限界があることを考えたとき、この解散は仕方ないことなのだろうと思います。

「成功したから解散」というのは普通はあり得ない話なのですが、そういうところも含めて特筆すべきユニットであったことは間違いありません。

クラシックなものとポップスの距離を近づけた

神田さんがこの「TRUSTRICK」というプロジェクトの中で起こしたことのもう一つの大きなこととして、本業の「ミュージカル」というクラシックなものと「ポップス」という現代的なものの媒介していたということがあります。ライブやアートワークをはじめTRUSTRICKの芸術性には神田さんの女優としての経験がふんだんに詰め込まれていたことは言うまでもありません。

ポップスとしては邪道なのかもしれませんが、完全に曲の中の主人公になりきっているなと感じさせるときもかなりありました。こうやってさまざまなクロスオーバーしていたのもTRUSTRICKの良さです。そこに、Billyさんのロックバンドで培われた力強いサウンドがも重なっていくのですから、曲のなかで発揮されるコンビネーションは とてつもないものがありました。

結局、最後までゴールデンタイムの音楽番組にでるなど日の目を見ることはありませんしたが、ここまで聴きごたえのアーティストはなかなかいないように思います。

解散は悲しいですが、これからも音源は残りつ続ける(公式サイトは閉鎖されましたが、いまのところspotifyの音源は公開され続けています)のでしょうから、これが遺産として残り続けるのはとてもいいことだと思います。解散してもこの素晴らしい音楽が新たに人の心をつかむと良いなと思っています。

お読みいただきありがとうございました。

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