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「幸福度ランキング」の問題点とその考察。

「幸福度10位」のオーストラリアから「幸せ」を考える

こんにちは、akiです。

先日3月20日の「世界幸福デー」に、「世界幸福度ランキング」が国連の機関から発表されました。日本は58位であったのに対して、いま私が住んでいるオーストラリア10位だと発表されました。このランキングを見て考えたことについて書きます。

<目次>
 ・いったいこの差はどこから生まれるのか?
 ・オーストラリアでの生活で感じたこと。
 ・幸せになるために私たちは何をすべきなのか。


・「日本はダメだ!」と叩かれがちだが、、

このランキングを見て、「日本は不幸だ!ダメだ!」といういうようなことが言われるのですが、それは短絡的な見方だと思います。そもそも、「幸せ」の定義が何なのかということが人によって大幅に異なる現代では、ある一定の「基準」に基づいて幸せを図ることが完璧にその差を表しているとは思えないからです。

一例をあげるとすれば、ベスト10は北欧とオセアニアで占められ、その下の上位30位もほとんどが欧米諸国です。幸福度が高いことで有名な「ブータン王国」はなんと95位で日本よりも下です。このことからも分かる通り西洋的なバイアスがかかっている可能性が高いことが伺えます。

また世の中には、残業してもいいからとにかくお金という人もいるし、お金はいらないから休みをくれという人もいるし、稼いだお金を何に使って幸福を得るかということも人それぞれです。一つの国の中で見ても、個人の価値観には大きな差異があります。

一方で、ある一定の「基準」で測られているからこそ、その視点で比較してみることはそれぞれの差異を浮き彫りにします(「差異」は決して「上下」だけではないことに注意)。なぜランキングに差が生まれたのかということ考えるに値すると思います。

・実際にオーストラリアで生活してみると、、

では、第10位のオーストラリアではいったいどのような生活が営まれているのか、実際に生活してみて発見したことを書いてみたいと思います。

とにかくみんなゆったりしている

一番に感じるのは本当に時間がゆるやかに流れていることです。いまシドニー市内では至る所で路面電車の新設工事が行われていますがこの工事が本当にスローペースなのです。

それを一番感じるのがいま私が通っている大学の隣に作られている駅です。線路を挟んで2つのホームが作られているのですが、そのうち片側のホームの屋根が私がオーストラリアに到着してから約2か月が経っても設置されていません

また、建設現場では大型のラジオが置かれ大音量で音楽が流れているほか、働いている作業員のうちの3分の1の人たちは建設現場のまさにその場所で人目もはばからずタバコを吸っています。もしこんなことが日本で起きたら明らかにこの建設会社に苦情が殺到してその会社は倒産ししまうだろうと思いますが、この状況でも誰も注意することはありません。

ちなみに、これも大学の近くにある車庫には路面電車がすでにたくさん待機しているのですが、いまだにいつ開業するかということすらもアナウンスされていません。

(※写真をお見せした方がイメージが湧きやすいとは思うのですが、さすがに建設現場である意味「怠慢」をしている人の写真を外国人が撮ってインターネットに載せるのはふさわしくないと思うので控えます)

月曜から日曜まで、営業時間は朝10時から夜10時半

この営業時間、どのお店だかお分かりでしょうか。これは「ケンタッキー・フライド・チキン」の営業時間です。夜10時半は良いとしても、朝10時からしかお店が開いていないにはかなり衝撃でした。

これだけではありません、シドニー郊外の多くの店は大小を問わず(夕食の需要がある食料品を扱う店やレストランは別として)午後5時~午後6時までには閉店してしまいます。また、土曜日や日曜日には4時台に店を閉めてしまうところやそもそも営業しないということろもあります

こうやってゆとりのある生活を送り、その反面として出てくる不便は気にしないというのがオーストラリアの人たちのスタイルなのだと思います。これがストレスをため込まないで日々を生活を楽しみ、幸福を感じさせる要素になっていると感じています。

・日本人はどうすべきか

オーストラリアで生活をしてみて、日本人として日本で幸せを感じつつ生活していくためにはどうしたらよいのかを考えてみます。

まず、何が「幸せ」なのかということをまずは定義しないといけません。再三になりますが「幸福度ランキングをあげる」ことを目的とするのかという問いがありますし、それとは違ったブータンのような幸福を求めるという方法もあります。

ただし、すでに高度に文明化されている日本社会でブータンのような幸せを目指していくことが可能なのかはかなり疑問です。どちらかと言えば、オーストラリアのような「幸せ」、つまり「幸福度ランキングをあげる」ことになる方向で改善を目指した方が良いのではないでしょうか。

心に余裕を持たせるには

そのためにどうしたらよいのでしょうか。「お前ら働くな、たぼこでも吸ってろ!」ということにしたらよいのでしょうか。そうではないと思います。正直、オーストラリアはゆとりがあるのは良いのですが、やはりその分不便さはかなり感じます。現地の人もそれにフラストレーションを感じているときが少なからずります。

やはり便利な技術、便利な社会はストレスがなくスムーズに生活するための多くな助けになることは間違いありません。それは幸福を感じるための、すくなくともフラストレーションを感じないための大事な一つの要素です。そういったものが日本にあるということもしっかり議論する必要があります。

一方で、休みの日も早朝から深夜までたくさんの店が開いている日本は、営業時間の短縮についてオーストラリアを見習うべきところがあると思います。結論としては、ちょうど日本とオーストラリアの中間が最も良いのだと思います。

おそらく、そういう国はいまだ存在しないからこそ、世界中で理想を目指して様々な人が努力しているのだろうと思います。あくまでその一つの指針として「幸福度ランキング」を見ていくことが必要なのではないかと感じました。

お読みいただきありがとうございました。

<参考文献>
「『世界幸福度ランキング』2019年版が発表。日本の順位はどうなった? 」、ハフポスト日本版、2019年3月20日、2019年4月4日閲覧
https://www.huffingtonpost.jp/entry/world-happiness-ranking-2019_jp_5c906a19e4b071a25a85e44c

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