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海外のライブと日本のライブ、何が違うのか?

こんにちは、akiです。

会場に入るところから出るまでのすべてが日本とは違う空間

先日、イギリス出身のシンガー、アン・マリーのシドニーでのライブを見てきました。その場で感じた、日本でいままで訪れたライブとの違いを書いてみたいと思います。ちなみに、公演自体の感想はこちらの記事です。

主に、
 ・パフォーマンスが始まる前
 ・パフォーマンス中
 ・パフォーマンス後

の順番で見ていきたいと思います。「パフォーマンス中」のところが最も分厚い記述になると思います。日本で物議を醸している「写真撮影」についても、実際に撮影OKの公演の中で感じたことを書きます

・パフォーマンス前

パスポート必須!!

まず、入場時から全く違うことが入り口で「身分証明書(ID)」の提示を求められることです。これはナイトクラブと同じ厳しさです。会場の入口にはセキュリティーガードの人が立っていて、その人にまずIDを見せ、その後に店員に電子チケット(QRコード)を見せるという形で入場していきます。

また、お酒を提供する場であるライブハウス(こちらではTheatreといいますが)では、飲酒が可能な18歳以上と18歳未満の入場口も完全に分かれており、入場の厳しさが日本とは全く違いました。会場のスタッフとは別に、セキュリティーガードがIDのチェックをして、その後にチケット(QRコードを読み取るだけ)の確認をされました。

大規模のライブでは日本でもこれに似た厳戒態勢が敷かれる場合もあるのかもしれませんがそれもかなり稀でしょうし、今回の会場は東京で言うとZepp Tokyoくらいの大きさで、その規模でこれだけの厳戒態勢だったというのは驚きでした。

※ちなみに、私はこの公園の3日前にナイトクラブに友人と行こうとしたところ、パスポートを持っていなかったために入場を拒否されてしまった経験があったため、ライブの入場にパスポートがいるとは知りませんでしたが、一応携帯していました。(そもそも外国人にとってパスポートは唯一の身分証明書なので基本的に肌身離さず持っておかなければなりませんが)失敗が活きました!

ドリンク代は存在しない

日本のライブハウスでは入場と同時にドリンク代(通常500円)を払わなければいけません。しかし、オーストラリアには「ドリンク代」は存在しません。バーに行って飲みたいものをいつものように買えばよいだけです。デビットカード(オーストラリアではキャッシュカードについていて、みんな使っている)やクレジットカードでキャッシュレス決済で買うことができます。500円玉の用意もいりません。

ちなみに、私はライブのあとやらなければならないことがあってお酒を飲まなかったので、ドリンクには全くお金を支払いませんでした。それでも全く問題ありません。

・パフォーマンス中

歓声の音量がとんでもない

まず日本と違うと思ったのは、「歓声の大きさ」です。シンガー登場のときからまさに悲鳴に似たような歓声が、一曲が終わるごとに響きます。これは曲が静かな曲であろうとイケイケのアッパーチューンであろうと関係ありません。観客は全員「フォー!」「イェー!」とか言って手を挙げて喜びを全身で表します。

ちなみに、曲の終わりだけでなく、間奏やサビの部分でもこういった歓声はガンガン響きます。最初はこの歓声にかなり圧倒されてしまいましたが、「気にせず自分もどんどん声出すぞ!!」と思ったら逆に積極的にライブに参加できたような気がしました。

かといって、みんなが踊り狂っているわけではない

こう書くと、「やっぱり海外のライブではみんな踊り狂ってハチャメチャなんだな」という印象を持たれるかもしれませんが、それは違います。たしかに開始前からSEに合わせて踊っている人もいるのですが、公演を通して恋人と一緒に手を取りながらゆったりした体勢で見ている人もいましたし、ステージ前方の盛り上がりからはあえて外れて、左右の壁に寄りかかってお酒を飲みながら見ている人もいました。

楽しみ方は人それぞれのやり方が許容されているのだなと感じました。実は本当にずっと盛り上がったり叫んだりしていたのは、1階のフロアの半分いるかいないかくらいで、実はこれだけ見ると日本のライブハウスとはそうは変わらないですし、瞬間的な一体感という意味では日本の方が大きいかもしれません

写真撮影は全員がずっとしているわけではない

海外と日本のライブの違いで最も大きなものが「写真撮影」が許可されているかどうかだと思います。日本では基本的に撮影は禁止ですが、海外では商用利用禁止などの条件付きで可能になっています。

海外のライブの様子は、アーティストの公式YouTubeチャンネルにもたくさんの動画がアップロードされていることからご覧になった方も多いともいますが、そのときにスマートフォンを掲げている人の姿を見ることも多いです。

一見すると、海外のライブでは全員がずっとスマホを掲げているかのように錯覚しがちですが、実際のところそんなことはありませんでした。たしかに、一度もスマホで写真や動画の撮影をしなかった人はいないと思いますが、撮影時間は
2時間の公演のうち 1人あたり数分だったと思います。

曲が始まる前やイントロのところで写真を撮って、あとはいつもの通り楽しむという人が私の周りではとても多かったです。ただし、アン・マリーの有名曲である「2002」や「FRIENDS」のときには会場中でシングアロングが起き、そのときはスマホを出している人も多かったように思います。ちなみに、私もこのときに動画を取りました。一気に会場のグルーヴが高まり「うわ、これは撮りたい!」と思ったからです。

また、以前たまたま寮が同じ友人と別のアーティストの話になったとき、相手がその人のライブに行ったことがあったので写真を見せてもらってとても盛り上がったということがありました。この動画や写真はそういうときに使うのかなと思います。例えば、このあと帰国したときに彼女の日本公演を見た人と出会ったらその写真を見せ合って話に花を咲かせるという感じでしょうか。

写真撮影について肖像権侵害や海賊版などのデメリットを強調されている方もいますが、こういった「共有できる」利点もありますし、写真を撮る楽しみ方も楽しみ方もどちらもあるということをしっかりと書いておきたいと思います。

また、様々な楽しみ方が許容されているフロアの中で「写真を撮るかとらないか」という選択、そして「それをルールを守ってするかしないか」という選択もまた自由にできる、ある意味では自由でその陰ではちょっとシビアな、日本とは違った世界を垣間見た気がしました(ニッキー・ミナージュなど、実際にルール違反が多いので撮影に制限をかけているアーティストも出始めています)。

さらに、写真撮影をしていても「現地で生の音を楽しむ」ことを上回るものがないことも併せて付け加えておきます。撮った写真はそのときに感じたことを思い出す引き金になるにすぎないと思います。おそらく、会場の人もこの点については全く疑いがなかったと思います。

・パフォーマンス後

アンコールはない!

アンコールはありませんでした!それも最後に、「次が今日の最後だよ!」と突然発表した後、最後の曲が終わった後に「じゃあね!シドニー最高!」と言ってそのまま引き上げました。

そうは言いつつもこれはアンコールがあるのかなと思っていたところ、観客がステージが暗転したのと同時に踵を返し始めたので「なるほど、これはアンコールは誰も期待していないのだな」ということがわかりました。もっとも、本編の最後の3曲で最も有名な曲Best3を連投したので、締まった感じはありました。これなら逆にアンコールをやらない方が良かったと思います。

ライブの詳細について書いた記事でも書いた通り、みなさん終焉後に会場でかかったカミラ・カベロ「Havana」を歌いながら帰っていきました。

ここまで違うのは正直驚きでした。全体の感想としては楽しみ方に余裕があるなという感じでした。様々な楽しみ方が許容されていて、それが上手く組み合わさって熱狂が生み出されているのだなと思いました。

お読みいただきありがとうございました。

アン・マリー、「Speak Your Mind」シドニー公演の感想はこちら

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